皆さんの身近な人で老人ホームに入所されている方はいますか?老人ホームに移る時に、衣類や趣味の物、その方にとって大事な物等、皆さん色々な物を用意しますよね。そんな時必ずしなければいけないこと、それは「持ち物に名前を書く」ということ。
老人ホームではたくさんの人との共同生活になるため、衣類や持ち物の紛失のリスクが高いのです。
ここでは大事な持ち物が紛失しないよう老人ホームでの注意点を紹介していきます。
入所する前に必ず確認してほしいこと
まず最初に、老人ホームへ入所する際に持っていく荷物に注目してみてください。衣類をはじめ、持っていく荷物にしっかり名前は書いてありますか?名前を書くことで見た目が悪くなる事を気にされる方も多いと思いますが、衣類の裏等目立たない場所で問題ありませんので、しっかり名前が書かれているか確認してみてください。
たくさんの人が共同生活しているため、名前が書かれていないと他者様の衣類や荷物と混ざってしまいわからなくなり、紛失してしまう事が非常に起こりやすいのです。大事な持ち物が紛失しないようしっかり名前を書いて予防することをおすすめします。
また、中には名前を書きにくい物、名前を書きたくない物等もあるかもしれません。その時は荷物表等をあらかじめ作っておき、どんな荷物をどれくらい持っていったのかをしっかり明記し、家族だけでなく老人ホームの職員にもしっかりと確認をしてもらってください。
仮に紛失してしまった場合、老人ホームの職員が存在を知っていれば出てくる可能性も非常に高くなります。逆に職員が知らない場合は出てくる可能性は低く、最悪の場合「そんな物もってきました?ここでなくしたのでないのでは?」と疑問を持たれてしまうことも考えられます。
どこに名前をかくの?
では実際名前を書く際はどの場所がいいのでしょうか。集団生活だから目のつきやすい所に名前を書いたほうがいいの?黒だから名前かけないから書かなくてもいいの?等、名前を書く際に色々悩み事もあるかと思います。まず、いくら集団生活といえど目のつきやすい所に名前をかかなければいけないという決まりはありません。
老人ホームでは利用する方の人権やプライバシーの保護を最重視しており、今までの生活とできる限り同じ環境で生活してもらうことが望ましいと考えられています。そのため、衣類や持ち物の表面にわかりやすく名前を書くことは、プライバシーを侵害してしまうことにもなりかねません。
わかりやすさよりもその方の考えや意見を尊重し、その人らしい生活を送ってもらえる環境を整えることがとても重要です。また、ラベルのない衣類、黒い衣類等、ペンの色と一緒で名前がかきにくい品物に名前を書く工夫を少し紹介していきます。
ラベルのない衣類の場合は衣類の裏面の隅など極力目立たない場所へ名前を書くと見た目的にも崩れることがなくおすすめです。
また黒の衣類等ペンと同色でわかりにくい物に関しては、目立たない場所に小さく手縫いで名前を縫う方法があります。この方法の場合、手間はかかりますが消える心配もないため非常におすすめです。中には修正液等で書いてある物も見かけますが、消えやすいためおすすめできません。
この荷物は持っていって大丈夫?
老人ホームによって持ち込みが制限される荷物もあるため注意が必要です。現在老人ホームには大きくわけて、多床型の老人ホームとユニット型の老人ホームがあります。この二つの違いについて説明します。多床型の老人ホームとは個室ではなく一つの部屋に人数分のベッドが設置され生活する形態です。
ユニット型とは一人一人個室が用意され、よりその人らしい生活を送ることのできる形態です。多床型の場合、施設全体で入所できる人数が多く、逆にユニット型は個室のため多床型に比べて入所できる人数にも限りがあるという特徴があります。
ユニット型の方がよりその人らしい生活を送ることは可能ですが、入所人数に限りがあり多床型に比べると入所するまでに時間を要することが多いようです。ユニット型の場合は施設による制限はありますが、個室を自分の好きな様に使えるため荷物も色々な物をもっていけます。
多床型の場合は、共有スペースとなりますで荷物の量は限られてしまい、持っていく荷物を選択しなければいけない場合が多いようです。どのような荷物をどれくらい持っていっていいのか施設にしっかり確認をとってみてくださいね。
持っていった荷物はちゃんとありますか?
実際入所してみると、名前をしっかり書いていたのになくなってしまったという話もよく聞きます。その原因の一つに何度も洗濯されていく内に名前が消えてなくなってしまうこともよくあります。施設の職員が気づいて名前を書き直してくれれば良いですが、確実なのは自分でしっかり確認することです。
持っていく時に名前を書いたから安心ではなく、もっていった荷物はちゃんとあるか確認することを忘れずに行ってください。また、荷物が増えればなくなってしまうリスクも高くなります。衣類や寝具等季節によって入れ替えが必要な物は、入れ替えたら家に持ち帰って管理する等、必要なくなった荷物は適時持って帰ることも大切です。
その際に、職員だからといってその人の持ち物を全て把握しているわけではありませんので、持って帰る荷物と持ってきた荷物の確認をしてもらってください。
その荷物は本当に必要ですか?
最後に、持っていった荷物は本当に必要ですか?多すぎたり少なすぎたりしていませんか?入所するときに必要なくても、生活している中で必要になってくる物もあります。知らないうちに必要なものがなく不自由させてしまっているかもしれませんので、施設でどのような生活をしているのかこまめに確認してみてください。
今の生活に必要なものがみつかるかもしれません。また、入所する人には色々な事情があると思います。中には認知症を患い仕方なく入所を決めた人もいるかもしれません。認知症には進行具合により様々な症状や行動に変化があり、人によって大きく異なります。
たくさん着込んでしまう方、部屋の荷物を自分なりに整理しどこに置いたのかわからなくなってしまう方、誰かに盗られてしまったと被害妄想をする方等、色々なことが考えられます。家族の方はできる限りその人にあった環境を整えることを考えてください。
家で使っていたものを必要以上に持ってくることは、その人にとって必ずしも良いこととは限りません。その人がその人らしくいられる環境を整えることを一番に考えて、持ち物を調整することがとても重要です。